ガイドさんいわく「ティプリンに日本人が来ることは、ほとんどないよ。」とのこと。
カトマンズ在住のガネーシュヒマール水晶のディーラーさんも「ネパールに住む人でもそんな所にはよう行かん」と言っていました。
つまり、費用や時間、体力やさまざまなリスクを考えると、普通の感覚では行くことがまず無い場所のようです。
多分ですが、わざわざティプリンに行って水晶を直接持って帰ったのは、日本人では僕が初かもしれません。
ティプリンは一番行きづらい場所だった
Borangでの夕食の時に、BorangからTiplingまでの道のりを、ガイドさんが宿のお主人に聞いておられました。
ガイドさんいわく、
「ここからティプリンまでは車では行けないみたい。少し車で行ったところから歩きで、急勾配の山を登って、急勾配の山を下って、また急勾配の山を登って、3つ4つの山を越えたら着くみたいだよ」
ということでした。
実は、その時に気がついていたことをガイドさんに聞いてみました。
「もしかして、ガネーシュヒマール水晶の村で有名な、リー、ラパ、シェルトン、ティプリンの中で、ティプリンが一番遠いところにあります??」
するとガイドさんは、「そうだよ」と。
僕が気づいていたことはGoogle Mapで見ていた経路と、実際に来た道が違ったということです。
ネパールの山奥の道路はGoogle Mapにも載っていない
実は、ネパールに行く前にTiplingへのルートを調べた時に、Google Mapで出てきた道案内はこれでした↓
ですが、もし違ったときのために、ルートを記録に残しておこうと思い、カトマンズから一定時間に一回Google Mapでピンを立てて足跡を残していました。
ですが、山奥に行けば行くほど、旅行用のポケットWi-Fiがつながらず、最後にピンを立てたのがBorangに到着して、宿泊場所のWi-Fiを使用してようやくネットが繋がり、Google Mapのピンを立てることができました。
すると、こういうルートを通ってきたことがわかりました↓
Brangで気づいていたこととは、
一番手前にあるのがRee、次にLapa、次にSertung、そして最後にTipling
ということでした。
つまり、ガネーシュヒマールで水晶を採掘している人がいる村の中で、ティプリンが一番行きづらい場所だったことは、そこに行き着かないと理解できないことでした。
道はもちろんのこと、Google Mapでは7時間で着くと表示されていましたが、かなりの悪路のため、8時に出発して、Borangに到着したのが18時過ぎ。
ネパールの大自然の中では、Google Mapはまったくあてにならないことがよく理解しました。
ですが、それがまた良い意味で想定外を楽しめることにも繋がりました^^
Brangでの朝
9時に就寝したため、起きたのは5:55くらい。目覚ましが鳴る5分前に目が覚めました。
ドライバーさんも、ガイドさんもまだ誰も起きておらず、荷物をゴソゴソしていると、ガイドさんが「電気つけていいよ」と。
そこから、色々と準備を始めました。
顔を洗う場所さえわからなかったので、ウェットティッシュで顔を拭くと、めちゃくちゃ砂埃の汚れが肌に付着していました。
Borangでは、たしか朝食を食べなかったと思います。
ガイドさんが、「ここから4時間くらいで着くからTiplingに到着してからご飯食べよう」ということで、ネパールの紅茶を頂いてから車を出発させたと思います。
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途中で、4WDの車でも走行困難な道になって来たので、そこから歩いてTipilingへ向かいました。
力を抜いて省エネで
実は、ネパールに行く数ヶ月前に「ナスDのヒマラヤ特集」がYou Tubeでアップされていました。
そこで、印象に残っていたのは、ヒマラヤ登山で高山病になる人の特徴は、
- 変に急ぐ人
- 大丈夫じゃないのに大丈夫と言う人
- 自分の体の異変(体の声)を無視し続ける人
ということがわかっていました。
かと言って、ずっと立ち止まっていても登山はできません。
なので、その動画で言っていたのは「一歩一歩ゆっくりでいいから進み続けること。体調が悪くなったら遠慮せずに休むこと。休んで体調が回復したらまた進めばいい。」ということでした。
なので、歩く時に「できるだけ省エネで歩こう」と、できるだけ筋力を使わずに済む骨を動かし自重を使った歩き方を意識しながら、進みました。
ですが、普段山登りをしていない僕は、かなり呼吸が荒くなっていました。
口呼吸でハーハーをしていると、口の中の水分が無くなります。
口内が乾くので、たくさん水を飲んでしまいます。(Tiplingに着くまでの間、僕は1.5リットルくらい水を飲んだのですが、ガイドさんはSertungでのお茶休憩以外、一度も水を飲んでいませんでした^^;)
そして歩いていると、砂埃が舞っているため、鼻水がダラダラ出て、鼻呼吸ができません。
しかも水分をたくさん取っているため、花粉症のように鼻水がダラダラ出てきます。
それをいちいちティッシュを取り出すのもできないため、片方の鼻を押さえて「ふんっ!」、もう片方の鼻を押さえて「ふんっ!」、という感じで、鼻水を飛ばしながらのトレッキングでした。
この動画の最初のところがSertungの入り口です↓
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トレッキング中は、動画も写真もやっとの思いで撮っていた
トレッキング中、どんなところを歩いているのかがわかるような写真や動画を撮りたかったのですが、呼吸はキツくなっている上に、足元の道の幅が片方の足の幅くらいしか無い場所があったりしたため、
- 落ちないように、フラつかないようバランス取ること、足元に集中すること
- 筋力をできるだけ省エネにすること
- 鼻呼吸ができなくても呼吸を止めないこと
- 口内の乾きに対しての水分補給
などに意識を向けていたため、スマホを持つという優先順位がかなり低くなっていました。
なので、上の4つを意識しなくても良くなった時に、ようやく写真を撮ったり、動画を撮影したりすることができました。
その余裕がある時に取れた写真がこれです↓
子供でも唾を吐く習慣がある理由
話は変わって、車で走行している時に、色んな村で大人や青年や子供の姿を見たのですが、ほぼ全員がペッペッと唾を吐いていました。
ネパールの山奥は、道路が整備されていません。
しかも、マイカ(雲母)が粉砕された砂埃のため、車が通るとかなり舞い散ります。
実際に、車がすれ違うときは、窓を閉めないと、一瞬で車内が「きな粉」を撒き散らしたかのような状態になってしまいます。
つまり、その土地の人たちに取っては、口の中に砂埃がたくさん入ってしまい、それを飲み込むわけにもいかないので、唾を吐いて砂埃を出すのが習慣になっているのだと感じました。
ネパールの山奥では旅行用のWi-Fiは繋がらない
一応、どこでもネットが使えるように、グローバルWi-FiでポケットWi-Fiをレンタルしてネパールに出航しました。
カトマンズ市内の付近では普通に使えますし、ある程度遠くに行っても、商業の活気がある場所でも使えました。
ですが、山奥に行けば行くほど、だんだんWi-Fiの電波が繋がらなくなって来ました。
上でも書いたのですが、Brangではもう全然使えず、宿泊場所のWi-Fiを借りてネットを使用しました。
ですが、どこの村でもスマホで連絡を取り合っていました。
調べてみると、ネパールでは「Ncell」か「Nepal Telecom」が主流であり、「Nepal Telecom」は日本でいうところのdocomoなので、広い範囲で繋がる通信会社のようです。
次に行くときは、どうにか村でもネット環境が使えるようにしたいので、その通信会社が使えないかを調べてみています。
いよいよティプリンの入り口へ
はあはあゼエゼエ言いながら、「⇐Tipling Sertung⇛」のような看板があり、ようやくティプリンの入り口まで近づいて来ました。
その時が一番体力の消耗がピークに達していて、呼吸のハーハーが止まらず、酸欠状態で目がチカチカし、足も動かしている感覚がありませんでした。
次回へ続きます。
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