ネパール最終日に、またまた奇跡が起こりました。
いや、結果的には僕のミスではあるのですが、そこを助けてもらえました。
今回のネパール渡航では、自分の無力さを痛感したと同時に溢れ出てくる感謝の気持ちと「本当に僕は運がいいんだな~」と気持ちがワンセットで実感できました。
溢れ出る感謝の気持ちがハンパじゃない出来事
いよいよ日本へ帰国するその日、12時にホテルをチェックアウトしました。
飛行機は22:50だったので、19:30くらいに空港に到着すれば良いので、18:30くらいにホテルを出発する予定だということをホテルのマネージャーさんに伝えたところ、「それまではホテルの中庭やロビーにいても良いよ」ということで配慮してくださいました。
お昼ごはんは、前日に行ったダルバートを食べられるレストラン。
一回食べ終わると、「More?」と聞かれたので、「More.」と返したら、ご飯やダルのスープやお野菜のおかわりをくれました。
ダルバートは、おかわり自由で本当にお腹いっぱい食べられます。
お客さんは僕一人しかいなかったためか、レストランのオーナーさんや、ウェイターさんと、スマホの翻訳アプリを通して少し会話をしました。
コロナが流行ってから、めっきり日本人観光客が減ったようで、久しぶりの日本人のお客さんということでした。
「また来てください」ということで、「はい、今年また来ると思います」と伝えて、レストランを出ました。
ホテルの中庭で出会った貫禄のある男性
ホテルに戻り、中庭で動画の編集や、You Tubeを見ていたところ、ホテルのボーイさんが来て「先生、コーヒーいかがですか?」と聞いてくれました。
チェックアウトしたのに、とても嬉しいサービス。
コーヒーをいただくことにしました。
コーヒーを飲んでいると、ホテルの前にタクシーが止まり、ロビーがザワザワとして来ました。
お客さんのお出迎えなのかな?と見てみたところ、ネパール人らしき初老の女性と男性がホテルに入ってきました。
入ってきて間もなく、何やらホテルのマネージャーさんと話しています。
「このホテルにネパール人も泊まるんだ~」と思い、イヤホンを耳に付けて動画を見ていたところ、5分くらいして、その初老の男性が中庭に入って来ました。
すると、「良い石を仕入れられましたか?」と、その男性が僕に聞いて来られました。
「え?なんで僕が石を仕入れたことを知っているんだろう?」と思い、「はい、なんとか奇跡的に水晶との縁があり、日本に送ることができました」と答えました。
「今は、なかなか水晶を国外に持ち出すのは厳しくなっているから、大変だったでしょう」と、その男性は言いました。
その初老と思われる男性の体格はとてもどっしりとしていて、時計も高そうなものを付けていて、数珠みたいなパワーストーンブレスレットも着けていました。
何かただものではないような貫禄があります。
「僕も石が好きでね~」と、その男性。
僕は、「ブレスレットもされてらっしゃいますね」と伝えて、気になっていたことを聞きました。
「もしかして、このホテルのオーナーさんですか?」と聞いてみたところ、その男性は、「いやいや、僕はオーナーじゃないよ。ホテルのオーナーは僕の妻だよ。」と。
なるほど、僕も会社の社長を誰かに任せる立場であるため、「この男性はホテルのオーナーさんのそのまた上にいる人なんだな」と理解ができました。
そして、先程のホテルのロビーがざわついていたのは、オーナー一族がホテルに来るからだったのかというのも理解できました。
コロナ関連の話。帰国できない危機に直面する…
「そういえば、コロナのワクチンは何回目まで受けたの?」と男性が聞いて来ました。
「僕は2回目まで受けました。3回目を受けるためには6ヶ月以上経たないと受けられないので、3回目はまだ受けていません。」と伝えたところ、
男性が「ネパールでは3回目がなかなか受けられなくて、僕と妻はスイスまで3回目を受けに行ったんだよ。そして今日帰ってきた。」ということでした。
へ~!わざわざスイスまで行ってワクチンを打つんだ~と思っていたところに、男性が「そういえば、帰る前にPCR検査は受けたの?飛行機に乗るためには、陰性証明書が必要でしょ?」と。
「ん?」と思い、「日本からこちらに来る時に、陰性証明書を発行してもらいました」と伝えたところ、「帰りも確かPCR検査の陰性証明書は必要だと思うよ」と、男性。
「ん?!!」と思い、「ちょっとネットで調べてみますね^^;」と慌てて、ネットで検索してみたところ、やはりネパールから帰国する人は、ネパールを出国する72時間前にPCR検査を受けて陰性証明書を取らなければいけないことがわかりました。
「うわ!マジか^^;」と思いました。。
僕は、その男性に「陰性証明書、必要みたいです。だけどもうすぐ16時で、病院も予約しなければいけないみたいで、今日は間に合わないかもしれません。。」と伝えました。
この状況はつまり、帰国ができないかもしれないという危機に直面しました。
僕も気が動転しているのか、「もうこの際、早めに空港に行って強引に日本で取得した陰性証明書を出して、とぼけてやってみようかなって思うんですけど、早めにタクシー呼んでもらうことってできますか?」と男性に聞きました。
すると、男性が「う~ん、それで行ければいいんだけど」と苦笑いを浮かべていました。
「何とかしてあげたい」という心使いと素早い手配
すると、その男性はどこかへ電話をかけ始めました。
「なんちゃらかんちゃら~」とネパール語でどこかに電話をかけたと思ったら、電話を切り、次またどこかに電話をかけ始めました。
その男性は、何回か電話をかけたあと、僕に「今からPCR検査を受けて、日本に対応する陰性証明書を出してくれる病院が見つかったから、今から行こう!」と伝えました。
その事を聞いた瞬間、思わず「まじかー!危機一髪で助かったー!」と、心の中で叫んでいました。
その男性は、色んな知り合いに電話をして、日本に対応している陰性証明書を発行できる病院がどこにあるのか調べてくれて、予約までしてくれたのでした。
そして、5分くらいでタクシーがホテルに到着しました。
その男性も一緒にタクシーに乗り込み、僕に「すぐには陰性証明書は出ないから、18:30くらいにもう一回タクシーで病院に行って陰性証明書をもらって、そのまま空港に行く手順でいこう。」と、男性が丁寧に段取りの順序を教えてくれました。
すごい、、完璧な手配でした。
「お金は持ってる?」と聞かれ、「さっきほとんど日本円に換金してしまって、少ししかルピー持っていないんですが、クレジットカードが使えれば払えます」と伝えました。
すると、「足らなかったら言ってね。」と、男性。
どこまで助けてくれるんだ、本当にありがたや…
病院に着くと、一緒に中に入ってくれました。
男性は、僕が問診票に書き入れる時に、「ここはこうで、こうならここにチェックを入れて、、」と一つひとつ教えてくれました。
そして、無事にPCR検査を受け終わりました。
無力さを感じた時に、とめどなく溢れ出てくる感謝の気持ち
ホテルに帰りついた時間は、17時くらい。
わずか1時間くらいの出来事でしたが、何かこの出来事がきっかけで、何か胸の奥にジワリと湧き上がってくるものがありました。
ホテルの中庭に座っていると、ホテルのボーイさんが「先生、コーヒーいかがですか?」と聞いてくれたので、ありがたくいただくことにしました。
僕は、自分ひとりでは何もできないことを痛感していました。
「ああ、僕は本当に無力なんだな。誰かの助けがないと何もできないんだな…。」
そう思い始めた瞬間、胸の奥からとめどなく感謝の気持ちが溢れ出て来ました。
涙が出そうでした。
そして、このネパール滞在中、自分が関わった人にどれくらいに助けられてきたのかを思い出し、自分が感じていたよりも、ものすごく運が良かったことに気づきました。
そんな時に、ふと思いました。
「『運が良い』ということを心から実感できるのって、この感謝の気持ちが溢れ出ているからなんだよな~」と。
- 宝くじが当たった
- 臨時収入が入った
- 美人と付き合えた
- 仕事で成功できた
など、表面だけで「私は運がいい」とか「自分はツイてる」と言う人はたくさんいるけど、心からの感謝の気持ちがワンセットじゃないと、本当に運が良いことを実感できるわけ無いんですよね。
今回のネパール渡航で、初めてそのことが深く理解できた気がしました。
ネパール渡航物語終わり。